スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

vol4. 後世への最大遺物・デンマルク国の話

はたして、我々は後世になにを遺すことができるのか。

この問題に対して正面から取り組んだ名著。

ーーーーーーーーーー

  • 内村 鑑三
  • 発売日 : 1976/01
  • 出版社/メーカー : 岩波書店
  • おすすめ度 : (15 reviews)
    4結果としての社会的価値のススメ
    5「デンマルク国の話」が凄い
    4本書を読めば書物もメンターになりうるということが理解できるかもしれない
    5日本人一人一人は、そして日本と言う国はこれからいかに生きるべきか
    5ただよく生きることに大きな価値がある

点数★★★★
難度★★★

ーーーーーーーーーー

【あらすじ】(解説 鈴木俊郎)

普通の人間にとって実践可能な人生の真の生き方とは何か.我々は後世に何を遺してゆけるのか.明治二十七年の夏期学校における講演『後世への最大遺物』は,人生最大のこの根本問題について熱っぽく語りかける,「何人にも遺し得る最大遺物――それは高尚なる生涯である」と.『デンマルク国の話』を併収


ーーーーーーーーーー

【目次】(★はおすすめ)

第一回 ★
第二回 ★
デンマルク国の話

ーーーーーーーーーー

【要約】

我々は後世に対して何を遺すことができるのであろうか?

まず第一に「金」である。
富と言うものを一つにまとめてそれを後世の人が実用に用いることができるように貯めていくという希望があるのならば、金を遺すことは素晴らしいことだ。
しかし金を貯める力と使う力は別のものである故に、危険もはらんでいる。

第二に「事業」である。
金を生み出す才能がない人であっても、事業を遺すことによって間接的にではあっても金を遺すことができる。
その典型的な例は土木事業であり、一つの土木事業を遺すことは、永遠の喜びと富を後世に遺すものである。

第三に「思想」である
もし世の中において自分が実行できないとしても、その精神を遺すことによって誰かに後を継いでもらうことができる。
たとえばジョン・ロックの人間知性論をきっかけにして2800万人の国民が決起し、フランス革命が起こった。

しかし、上記3つは誰にでも行えるものではない、一長一短である、という2つの点から後世のための最大遺物ではない。
誰にでも行え、また、利益ばかりあって害のない最大遺物とは「勇ましい高尚なる生涯」である。

事業ではなく生涯を遺すことによって、誰しもが誰かを動かすことができる。
われわれをして世の中になにも遺すことがなかったとしても、真面目なる生涯を送ったということを後世の人に残したい。

ーーーーーーーーーー

【レビュー】

各個人が「勇ましい高尚なる生涯を送る」ことこそが後世に対する最大遺物であるという結論。
これはもちろんそれ自体が目的になるということではなく、それが結果として上記の「金・事業・思想」を遺すことにつながっていくという。
「自分で自分に胸を張り続ける」ってのを目標に置いている自分としては共感出来る部分も多かった。

ここで言われる「生涯」を送ることによって、社会的価値なんてもんは結果的に生まれる。
たとえば社会起業とかそんな言葉が一人歩きしている印象を受けるんだけど、まずは人生に対して真摯に取り組むことこそが大事なんじゃないか。

成果を追い求めすぎた結果、そこには生じるのは空虚なもの。
もちろんこれは結果軽視なんていう話ではなく、そこにいかに熱量をかけて達成したのかが大事だってこと。

ーーーーーーーーーー

「後世への最大遺物・デンマルク国の話」についてさらに詳しく

読書・名著ランキングTOPページはこちら
過去の名著・気になる本の読書ランキングはこちら



スポンサーサイト

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

vol3. ルポ 貧困大国アメリカ Ⅱ

前作に続いて。

「行き過ぎた市場原理」が導いたもの。

ーーーーーーーーーー

  • 堤 未果
  • 発売日 : 2010/01/21
  • 出版社/メーカー : 岩波書店
  • おすすめ度 : (48 reviews)
    4行き過ぎた市場主義が招いたものとは
    5おぞましい国アメリカ
    5公的国民皆医療保険を拒否するアメリカ/オバマの一年
    5衝撃的な本です。
    5絶望的な状況にあって

点数★★★★
難度★★★

ーーーーーーーーーー

【あらすじ】(「BOOK」データベースより)

経済危機後のアメリカでは、社会の底割れが加速している。職がないにもかかわらず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れ、絶望の淵に立たされた高齢者たち。いまや中間層の没落が進んでいるのではないか。オバマ登場で状況は変わるのか。人びとの肉声を通して、アメリカの今をビビッドに切り出すルポの第二弾。

ーーーーーーーーーー

【目次】(★はおすすめ)

第1章 公教育が借金地獄に変わる
第2章 崩壊する社会保障が高齢者と若者を襲う ★
第3章 医療改革 VS 医産複合体
第4章 刑務所という名の巨大労働市場 ★
エピローグ

ーーーーーーーーーー

【要約】

前作と同じく、アメリカの現状をデータや個別の事例から淡々と書き連ねていくスタイル。
内容としては以下のようになっています。

1章;資本主義に巻き込まれた教育ローンにより破滅して行く中流層
2章:問題の先送りによって破綻した年金制度
3章:苦しみに喘ぐ医療現場と貧困層の人々
4章:巨大化していく刑務所ビジネス

資本主義のうねりの中で各種産業において効率化、利益の最大化がはかられていく。
そしてその中には「教育・医療・年金」など人々が日々暮らしていくために必要不可欠な分野も含まれる。

「どうして普通に生きているだけなのにこれほど苦しまなくてはいけないのか」
「アメリカ」という幻想の中に生きた人々に広がる絶望と虚無感。

ーーーーーーーーーー

【レビュー】

前作に引き続き、絶望的とも言えるような状況がここでは紹介されています。
ハッピーエンドの糸口すら見えないような。

オバマが大統領に就任した際に150万人程度の民衆が集まり、歓喜し、涙を流したっていうのを聞いて羨ましかった。
日本に比べて政治や国の将来について真剣に考えている人が多いんだろうな、と感じたから。

でも、それは単に国民性なんかの話ではなく、それだけ日々の生活に苦しんでいる人が多いことの顕れなんじゃないだろうか。
集まった人達にとって政治はどこかでおこっている出来事なんかじゃなく、自分や大切な人の命を救うための手段なんじゃないだろうか。

でも、本来政治ってのはそうあるべき。
日本は、どうなる。

ーーーーーーーーーー

「ルポ 貧困大国アメリカ II」についてさらに詳しく

読書・名著ランキングTOPページはこちら
過去の名著・気になる本の読書ランキングはこちら


テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

vol2. ルポ 貧困大国アメリカ

アメリカに関するルポ。

格差の実態とはいかに。
自由の影に潜む不自由。

ーーーーーーーーーー

  • 堤 未果
  • 発売日 : 2008/01
  • 出版社/メーカー : 岩波書店
  • おすすめ度 : (139 reviews)
    5現代の蟹工船
    4自由の影に潜む不自由
    5「マイケル・ムーア作品の日本人のための分かり易い参考書」
    5戦慄を禁じえない
    5腐った民主主義のなれの果て

点数★★★★
難度★★★

ーーーーーーーーーー

【あらすじ】(「BOOK」データベースより)

貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。
急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。
弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。

ーーーーーーーーーー

【目次】(★はおすすめ)

1 貧困が生み出す肥満国民
2、民営化による国内難民と自由化による経済難民
3、一度の病気で貧困層に転落する人々
4、出口をふさがれる若者たち ★
5、世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」 ★ 

ーーーーーーーーーー

【要約】

各章において「食事・災害救助・教育・戦争」などの民営化の実態、そしてそれらが導いた弊害について触れられています。

内容としては

1章;悪循環の中で増加する肥満児童。
2章:資本主義によって見捨てられた被災地ルイジアナ
3章:世界一高い医療費で破滅していく中間層
4章:貧困からの脱却手段としての入隊、そしてその末路
5章:ビジネスとしての戦争が導いたもの

となっています。


教育や医療分野において強調されているのは、国民の「いのち」に関わる分野において、果たして民営化が最適な手段であるのか、という問いかけ。

著名な経済学者であるミルトン・フリードマンは「国の仕事は軍と警察以外すべて市場に任せるべきだ」と言ったけれども、その結果がここにある。
ましてやこの国では、戦争すらビジネスの種として使われている。


ーーーーーーーーーー

【レビュー】


この本の内容は全て真実なのか。
たとえ事実であっても切り取り方でどうとでも伝えられるから、この本はゴシップ的な情報を発信しているだけなのかもしれない。

でも、ここに書かれている内容を小馬鹿にするだけでおしまいにしちゃいけない。
ここで描かれている状況は、日本で「いつか」起こるかもしれないことではなく「もう」起こっているかもしれないこと。

見たくない場所から目を背けることは簡単。
でもそれを放置してるだけじゃ、いつかそれは自分や周りを飲み込んでいく。

悲劇は淡々と訪れる。

当たり前のような顔をして。

ーーーーーーーーーー

「ルポ 貧困大国アメリカ」についてさらに詳しく


読書・名著ランキングTOPページはこちら
過去の名著・気になる本の読書ランキングはこちら


テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

カテゴリ
サイト内検索
カスタム検索
RSSリンクの表示
最新記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。